出産後にやること全まとめ
出生届から医療費助成まで7つの手続き
退院後すぐに始まる各種手続き。
順番と持ち物を押さえておけば、役所1回でほぼ完了できます。
※手続きの詳細(必要書類・窓口・期限など)は自治体によって異なる場合があります。事前にお住まいの市区町村にご確認ください。

この記事のポイント
- 出生届は14日以内に提出。ここが全手続きの起点
- 児童手当は遡及なし。出生届と同日の申請が鉄則
- 健康保険の資格確認書が届いてから医療費助成を申請
- 7つの手続きの多くは役所1回の訪問でまとめて完了できる
目次
手続きの全体像と進める順番
出産後に必要な手続きは主に7つ。それぞれに依存関係があり、正しい順番で進めることが大切です。
手続きの流れ(依存関係)
児童手当は申請を後回しにしない
児童手当は申請した月の翌月分から支給で、遡って受け取ることができません。出生届と同日に申請しないと、1ヶ月分(1万〜3万円)が永久に失われます。
出生届の提出
赤ちゃんが生まれたら、最初に行う手続きです。出生届を提出することで戸籍と住民票が作成され、他のすべての手続きの起点になります。
期限
出生後14日以内
申請先
市区町村役所の戸籍窓口
届出人の所在地・子の出生地・本籍地のいずれか
持ち物・必要書類
- 出生届書(右半分の出生証明書は医師・助産師が記入済)
- 母子健康手帳
- 届出人(父または母)の本人確認書類
Nurseeメモ
届出人は婚姻中であれば父または母。届出書への署名は届出人本人が行いますが、窓口への持参は代理人でもOKです。14日を過ぎると5万円以下の過料が科される場合があります。
赤ちゃんの住民票
出生届を提出すると、自動的に住民票が作成されます。別途の手続きは不要ですが、住民票の写しが必要になる場合は窓口で請求できます。
期限
出生届の提出と同時に自動作成
申請先
市区町村役所
出生届提出先と住所地が異なる場合は数日かかることも
持ち物・必要書類
- 住民票の写しが必要な場合:本人確認書類と手数料(300円程度)
Nurseeメモ
健康保険(社保)の被扶養者届に住民票が必要な場合があります。出生届と同日に窓口で取得しておくとスムーズです。
児童手当の申請
児童手当は申請した月の翌月分から支給されます。遡って受給することはできないため、出生届と同日に申請するのが鉄則です。
期限
出生届と同日が鉄則(翌月分から支給開始)
申請先
市区町村役所の子ども関連窓口
持ち物・必要書類
- 請求者(父または母)の健康保険証またはマイナンバーカード
- 請求者名義の銀行口座情報(通帳など)
- 請求者と子のマイナンバー確認書類
- 請求者の本人確認書類
Nurseeメモ
月末近くに出産した場合でも、出生日の翌日から15日以内に申請すれば翌月分から支給される「15日特例」があります(後述)。
赤ちゃんの健康保険への加入
赤ちゃんを健康保険に加入させる手続きです。会社員の方は勤務先を通じて社会保険(被扶養者追加)、自営業の方は市区町村窓口で国民健康保険に加入します。
期限
社保:出生後5日以内が目安 / 国保:できるだけ早く
申請先
社保:勤務先経由 / 国保:市区町村役所
持ち物・必要書類
- 【社保】健康保険被扶養者(異動)届
- 【社保】住民票の写し(続柄の確認用。事業主が確認済なら不要な場合も)
- 【国保】保護者の国民健康保険証
- 【国保】保護者の本人確認書類
Nurseeメモ
両親とも社会保険に加入している場合は、原則「年収が高い方の扶養」に入れます。国保には扶養の概念がなく、赤ちゃんも独立した被保険者になります。
マイナンバーの通知と申請
出生届の提出後、マイナンバーが自動的に付番され「個人番号通知書」が住民票の住所に届きます。マイナンバーカードの申請は任意ですが、1歳未満は顔写真なしで特急発行(約1週間)が可能です。
期限
通知:住民票登録後2〜3週間で郵送 / カード申請:任意
申請先
通知は自動郵送 / カード申請はオンラインまたは市区町村役所
持ち物・必要書類
- 個人番号通知書は住民票の住所に簡易書留で届く(手続き不要)
- マイナンバーカードを申請する場合:通知書に同封の申請書またはオンライン申請
Nurseeメモ
2020年5月以降、旧「通知カード」は廃止され「個人番号通知書」に変わっています。個人番号通知書は番号確認のみに使え、本人確認書類としては使えません。
資格確認書の取得
2024年12月から従来の健康保険証の新規発行が終了し、「マイナ保険証」または「資格確認書」に移行しました。マイナ保険証を使わない場合は資格確認書を申請します。
期限
健康保険加入後
申請先
社保:勤務先(健保組合)経由 / 国保:市区町村役所
持ち物・必要書類
- 【社保】被扶養者異動届の「資格確認書発行要否」欄にチェック(勤務先経由)
- 【国保】窓口で申請(即日〜数日で交付)
Nurseeメモ
社保の場合、資格確認書の交付まで2〜3週間かかることがあります。届くまでの間に受診が必要な場合は、医療機関に「手続き中」と伝え、後日提示する対応が可能です。
乳幼児医療費助成(マル乳)の申請
子どもの医療費自己負担分を自治体が助成する制度です。東京23区では高校生まで保険適用分の医療費が無料(所得制限なし)。申請して「医療証」を受け取ると、窓口での支払いが不要になります。
期限
資格確認書(またはマイナ保険証の利用登録)の取得後
申請先
市区町村役所の子ども関連窓口
持ち物・必要書類
- 子どもの健康保険の資格確認書(またはマイナ保険証登録済のマイナンバーカード)
- 保護者の本人確認書類
- 申請書(窓口またはオンラインで取得)
Nurseeメモ
医療証が届く前に受診した分は、後から償還払い(立て替え→返金)で精算できます。ただし申請が遅れると助成対象外の期間が生じる自治体もあるため、早めの手続きがおすすめです。
児童手当の「15日特例」とは?
児童手当は原則「申請月の翌月分から」支給ですが、出生日の翌日から15日以内に申請すれば、申請が翌月にずれ込んでも出生月の翌月分から支給される特例があります。
| 出生日 | 申請期限 | 支給開始 |
|---|---|---|
| 4月30日 | 5月15日まで | 5月分から |
| 4月30日 | 5月16日以降 | 6月分から(1ヶ月分損失) |
| 3月25日 | 4月9日まで | 4月分から |
児童手当の支給額(2024年10月〜)
| 対象 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 月15,000円 | 月30,000円 |
| 3歳〜高校生 | 月10,000円 | 月30,000円 |
※所得制限は撤廃済。高校生(18歳年度末)まで対象拡大。偶数月に2ヶ月分が支給されます。
Nurseeメモ
1ヶ月分の損失は、3歳未満の第1子なら15,000円。遡及適用はないため、退院後の体調が万全でなくても、出生届と児童手当だけは最優先で手続きしましょう。パートナーや家族にお願いするのも手です。
社保 vs 国保:どちらで加入する?
赤ちゃんの健康保険は、保護者の加入状況によって手続き先が異なります。
社会保険(社保)
- 会社員・パートの方が対象
- 勤務先経由で被扶養者異動届を提出
- 扶養なので保険料の追加負担なし
- 届出期限:出生後5日以内が目安
国民健康保険(国保)
- 自営業・フリーランスの方が対象
- 市区町村役所で加入手続き
- 赤ちゃんも独立した被保険者(保険料が増える場合あり)
- 届出期限:できるだけ早く
Nurseeメモ
両親ともに社会保険に加入している場合は、原則「年収が高い方の扶養」に入れることになっています。年収差が1割以内であれば、どちらの扶養にするか選べる場合もあります。
チェックリスト
タイミング別にまとめました。出生届提出日に役所でまとめて行うのがおすすめです。
出生届と同日にやること
- 出生届の提出(14日以内・戸籍窓口)
- 児童手当の申請(子ども関連窓口)
- 住民票の写しを取得(健康保険手続き用)
- 国保の方:赤ちゃんの国民健康保険加入
出生届の翌日〜5日以内
- 社保の方:勤務先に被扶養者異動届を提出
健康保険加入後
- 資格確認書の申請(マイナ保険証を使わない場合)
- 乳幼児医療費助成(マル乳)の申請
届いたら確認
- 個人番号通知書(マイナンバー)が届いたか確認
- マイナンバーカードの申請(任意・1歳未満は特急発行可)
まとめ
- 出産後の手続きは7つ。出生届→住民票→児童手当→健康保険→資格確認書→医療費助成の順
- 出生届と児童手当は同日に申請。遡及なしなので最優先
- 月末出産でも15日特例で1ヶ月分の損失を回避できる
- 2024年12月以降は資格確認書が健康保険証の代わりに
手続きの詳細は自治体によって異なる場合があります。事前にお住まいの市区町村の窓口やWebサイトで確認しておくと安心です。
出典・参考
- 法務省「出生届」
- こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
- 政府広報オンライン「2024年10月分から児童手当が大幅拡充!」
- 厚生労働省「資格確認書について」
- 総務省「個人番号通知書について」
- 東京都福祉局「乳幼児医療費助成制度(マル乳)」
- 協会けんぽ「被扶養者とは?」