基礎知識

小規模保育のメリット・デメリット研究データで見る実態と「3歳の壁」対策

小規模保育は0〜2歳児を対象とした少人数制の保育サービス。
研究データをもとに、メリット・デメリットを冷静に整理します。

2026年1月作成
読了時間:約8分
小規模保育のメリット・デメリット

小規模保育とは?

小規模保育とは、0〜2歳児を対象とした、定員6〜19名の少人数制保育サービスです。

2015年4月にスタートした「子ども・子育て支援新制度」で、地域型保育事業の一つとして制度化されました。 都市部の待機児童対策として急速に増加しており、 認可保育所に入れなかった場合の選択肢として注目されています。

小規模保育の基本情報

対象年齢

0〜2歳児(3歳未満)

定員

6〜19名

認可区分

認可(地域型保育事業)

施設形態

ビル内・マンション1階など多様

ABC
A型・B型・C型の違い

小規模保育事業には、職員の資格要件によって3つのタイプがあります。 選ぶ際は、どのタイプかを確認しておくとよいでしょう。

類型職員資格定員特徴
A型全員が保育士資格6〜19名認可保育所に近い基準
B型1/2以上が保育士資格6〜19名最も多いタイプ
C型家庭的保育者6〜10名より家庭的な環境

ポイント:A型は保育士資格者のみで構成されるため、保育の専門性を重視する場合はA型を優先的に検討するのも一つの方法です。 ただし、B型・C型でも研修を受けた職員が保育を行っています。

小規模保育のメリット(研究データ)

学術研究や調査データから見えてくる、小規模保育のメリットを整理します。

1保育環境の質が高い傾向

経済産業研究所(RIETI)の中室牧子氏らによる研究では、 国際的に使われる保育環境評価指標(ITERS-R)を用いて小規模保育園と中規模保育園を比較。小規模保育園の方が保育環境の質が良好という結果が示されました。

また、保育者の経験年数が長いほど、子どもの発育状況に正の相関があることも報告されています。

2少人数ならではの個別対応

定員が6〜19名と少人数のため、一人ひとりに目が届きやすいのが特徴です。 保護者との密なコミュニケーションが取りやすく、日々の様子を細かく共有してもらえる傾向があります。

全国小規模保育協議会の白書でも、保護者アンケートで「家庭的な雰囲気」 「いつも同じ保育士が関わってくれる安心感」が評価されています。

3整備の柔軟性(立地の良さ)

認可保育所と比べて施設基準が柔軟なため、空き家やマンションの一室、ビルのテナントなどを活用して開設できます。 そのため、駅近や住宅街など、利便性の高い立地に設置されていることが多いのも特徴です。

小規模保育のデメリット(研究データ)

一方で、制度の構造上、注意すべき点もあります。研究データをもとに整理します。

1「3歳の壁」問題

小規模保育は2歳児クラスまで。 3歳になると卒園となり、次の預け先を改めて探す必要があります。 これが「3歳の壁」と呼ばれる課題です。

鈴木健二氏(2021)の研究では、約60%の小規模保育施設が認可保育所を連携施設として設定していますが、 連携施設の確保は自治体・園によって状況が異なります。

対策

  • 入園前に「連携施設はどこか」を必ず確認
  • 連携施設への優先入所制度があるか確認
  • 2歳児クラスの秋から次の園探しを開始

2職員体制の課題が生じる場面も

小規模ゆえに職員数が限られており、特別な支援が必要な子どもへの対応など、専門的なケアが必要な場面で苦慮するケースも報告されています。

伊藤貴大氏(2025)の調査では、小規模保育施設でのインクルーシブ保育について、 「具体的な支援方法」「職員数が十分でない」ことが課題として挙がっています。

3設備面での違い

認可保育所と比べると、園庭がない場合が多いです。 外遊びは近隣の公園を利用することになります。 また、給食についても外部搬入(調理済みのものを配送)の場合があります。 見学時に確認しておくとよいでしょう。

向いている人・向いていない人

向いている人

  • 0〜2歳の間だけ預けたい
  • 少人数でじっくり見てもらいたい
  • 自宅や駅から近い場所を優先したい
  • 家庭的な雰囲気を重視したい
  • 連携施設への転園に抵抗がない

向いていない人

  • 3歳以降も同じ園に通わせたい
  • 園庭での外遊びを重視したい
  • 連携施設への転園に不安がある
  • きょうだいで同じ園に通わせたい
  • 自園調理の給食を希望する

選ぶときのチェックポイント

小規模保育を検討する際は、以下の点を見学時や入園前に確認しておきましょう。

  • 1

    連携施設はどこか?

    卒園後の受け皿となる連携施設を確認。認可保育所なのか、こども園なのか、どの園なのかを具体的に確認しましょう。

  • 2

    連携施設への優先入所はあるか?

    自治体によっては、小規模保育卒園児に対して連携施設への優先入所(加点)制度があります。

  • 3

    A型・B型・C型のどれか?

    職員の資格要件が異なります。保育士資格者の割合を確認しましょう。

  • 4

    給食は自園調理か外部搬入か?

    アレルギー対応なども含めて確認しておくと安心です。

  • 5

    代替保育の体制は?

    職員の急な欠勤時や緊急時の代替保育体制を確認しましょう。

まとめ

🦉

小規模保育は、少人数ならではの手厚い保育と、立地の良さが魅力です。 一方で「3歳の壁」という課題もあり、連携施設の確認は必須です。

研究データでは、保育環境の質は小規模園の方が良好という報告もあります。 大切なのは、ご家庭の状況やお子さんに合った選択をすること。

メリット・デメリットを理解した上で、見学して雰囲気を確かめてみてください。

🦉

まずは点数をチェックしてみましょう

入力は1分ほど。結果を見て、次のアクションを考えましょう。

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